2013年05月02日

<おすすめ本>太田直子著『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』


ラテンアメリカの映画配給、宣伝、字幕翻訳、を手掛けるアクションの比嘉さんに教えていただいた本、太田直子著 『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(光文社新書) をご紹介します。
字幕にまつわるあらゆるエピソードがユーモアたっぷりに描かれている作品で、一気に読めちゃいます。

字幕は「1秒間に4文字まで」の制限の中で、次のシーンにつなげる自然な訳、映像の邪魔をしない簡潔な日本語が求められる難しい仕事。字幕と吹き替の訳の違い、禁止用語、ルビ、一人称の選び方(「私」「僕」「おれ」「わし」「おいら」等のキャラづけ)などなど......
様々な制約の中での作業は果てしない苦労がつきものなのがよくわかります。

また、字幕特有のエピソードも挙げられています。
たとえば:

「映画のクライマックスで、死を決意した兄がかわいがっていた妹との別れ際に、死の決意を隠したまま「バイバイ」と言い、少し間を置いてもう一度、思いを込めて「グッバイ」と言うシーンがあった。

従来の字幕屋ならば、「バイバイ」だの「グッバイ」だの、聞けばわかるようなせりふにいちいち字幕はつけない。・・・(略)・・・
すると配給会社から注文が来た。「ここは聞けばわかるせりふなので字幕はやめましょう」という注文なら喜んで応じただろうが、さにあらず。先方はこうのたまったのだ。「『僕の大切な妹』 『さよなら』という字幕にしてください。ここは泣かせどころですから」・・・(略)・・・

必殺「泣かせ操作」だ。
「バイバイ」という英語が「僕の大切な妹」という日本語に化けてしまう恐ろしさ。・・・」

読んでいて、おもわずため息が出てしまいそうなエピソードがたっぷり......。
普段から字幕に対して疑問やクレーム(!)がある方にこそ読んでいただきたい本です。
このゴールデンウィークにぜひ。



写真 (6).JPG


kanda




posted by Rita at 11:05| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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